突然ですが、自分自身の悪習癖について考えたことがありますか?
その一つに「歯ぎしり」がありますが、就寝中に無意識下で行われるのが特徴です。
気付かないまま放っておくと、大切な歯の寿命を縮めかねません。
そこで今回は、歯ぎしりをしている人に見られる傾向について詳しくお話しします。
本記事が、ご自身の悪習癖を自覚して対策をとるキッカケとなれば幸いです。ぜひご覧ください。

身近な人に指摘されたことはありませんか?

家族や知人、かかりつけ医などに、歯ぎしりの可能性を指摘された経験はありませんか?
基本的に無意識で行われるため、本人よりも周りの人が気付きやすい点が特徴です。
代表的なものに歯をすり合わせるときの音がありますが、特徴はそれだけではありません。
例えば次のような所見が見られます。

歯が大幅にすり減っている

鏡で歯をセルフチェックしたときに、歯がすり減っていないか確認してください。歯の先端が真っ直ぐになっており、全体的にすり減っている場合は歯ぎしりをしているかもしれません。また、中には犬歯やその周りだけがすり減っているケースもあります。
大幅にすり減っている場合、歯の形が全体的に変わっている可能性もあるので注意深くチェックしてください。

頬の内側の粘膜や舌に歯の痕がついていないかどうか

歯同士を横にこすり合わせていると、歯が舌や頬の粘膜に食い込んで痕がつく場合があります。頬の内側の粘膜に傷がある方や、舌の側面がギザギザとしている方は要注意です。
「噛みしめ型」や「歯ぎしり型」の可能性を疑いましょう。詳しい症状などは、のちほど解説します。

頭痛や肩こりが頻発している

原因不明の頭痛や肩こりに悩んでいる方は、歯ぎしりが原因かもしれません。
まず歯をこすり合わせると、脳から筋肉に異常な指令が出されます。すると顎を動かす筋肉のほか、頭や肩といった筋肉も疲労による痛みを生じるためです。
また起床した際、顎の周りにこわばった感覚がある方も注意が必要です。

歯が欠けや破折を経験している

歯ぎしりによって歯に強い負荷がかかると、欠けたり割れたりする恐れがあります。突然折れることはないかもしれませんが、ちょっとした衝撃で簡単にダメになる可能性があるので注意してください。
折れ方によっては元の状態にすることが難しく、抜歯を伴う治療が必要になる可能性が高まるので気を付けましょう。

歯の根っこ部分が欠けている

歯の先端だけでなく、根っこ部分にも注意しなければなりません。力が集中すると、歯がえぐれたように欠ける恐れがあります。
特に注意すべき場所は、犬歯とその周りです。ブラッシングの際に歯ブラシで強くこすると、すり減りや痛みの原因になるため気を付けてください。

むし歯がないのに染みることが頻繁にある

見た目に異常がないにも関わらず、歯が染みやすいのも歯ぎしりをしている人の特徴です。これには前項で紹介した、根っこの欠けと同時に起こりやすい「知覚過敏」が影響しているでしょう。
知覚過敏は、歯の最も外側にあるエナメル質の下に位置する「象牙質」が剥き出しになることで起こります。冷たい水や風が当たると、その部分を通じて内部の神経へ刺激が伝わり、染みるというメカニズムです。

何かに集中しているときも要注意!

実は歯ぎしりは、就寝中以外にも行われている可能性があります。
それはズバリ「ある物事に集中しているとき」。また、緊張しているときも例外ではありません。
このようなときは、左右のスライドではなく噛みしめが行われているケースが大半です。日頃の生活を振り返り、上下の歯をギュッと噛みしめているタイミングがないかどうかチェックしてください。
無音で行われるので自覚しにくいですが、周りの人にも協力を仰いでチェックしてもらいましょう。

被せ物が頻繁に外れる

歯に強い負荷がかかることで、被せ物が外れやすくなります。特に保険適用で何年も前に治療した、金属製の被せ物がある場合は要注意です。
起床時に外れていた経験をお持ちの方や、何度も外れてつけ直している方は歯ぎしりが原因かもしれません。

顎関節の痛み

起床時に顎関節が痛んだり、口を開けるとカクカクという小さな音が出たりしていませんか?
これらの症状に心当たりがある場合、顎への過度な負担が原因で顎関節症になっている可能性があります。
顎の周辺にある「噛むための筋肉」が、疲労して痛みを起こしているかもしれません。

歯茎が盛り上がっている

歯茎がデコボコとしている方も、例外ではありません。歯の裏側と舌の周りの歯茎には、特に注意が必要です。
これは「骨隆起」といって、歯茎自体ではなく、その下の骨が盛り上がっていることで起こる症状です。
痛みが出ないので、知らず知らずのうちにこの症状が出ている方もいるかもしれませんね。治療を急ぐ必要はありませんが、食事や義歯作製を妨げる場合は削って対処することもあります。

次回も、同様のテーマで引き続きお話しします。
今回紹介した内容に心当たりがあった方は、次の記事もぜひご覧くださいね。

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