起きてボーッとしているとき、自分の口の中のニオイに驚いたことはありませんか?
大人の口の中には1億~2億個もの細菌が常におり、寝ている間は特に活発化して繁殖します。
ただ全員が全員、自分の口のニオイに悩まされているわけではありません。
今回は口臭に個人差がある理由を、原因や対策、治療法などとともに説明します。
自分自身はもちろん、家族の口臭に困っている方もぜひご一読ください。

起床直後の口臭が気になるのはどうして?

朝起きたときに口が臭いのは、寝ている間に口腔内の細菌がガスを放っているためです。個人差はあれど、これは誰にでも起こりうること。
仕方ないこととはいえ、複数人で宿泊を伴う出張や旅行の際には互いに気を遣うでしょう。「相手に臭いと思われていないかな…」と、きっと不安になりますよね。
口臭軽減のポイントは、口の中の細菌数を減らすことです。日頃から対策をとりつつ、改善が見込めない場合は歯科医院で相談しましょう。

原因

根本的な原因は、就寝中に細菌から放出されるガスだとお伝えしました。ですが、程度には個人差があります。
そこで、寝ている間に細菌が活発化する理由をいくつか紹介します。

1.唾液量の減少

寝ている間は、口の中の唾液量が普段の半分程度にまで減少します。唾液には洗浄・殺菌効果が見込めますが、就寝中はそれができないということになります。口臭の大きな原因となるでしょう。

2.口の中の水分不足

寝ている間は唾液量が減るだけでなく、水分を摂らない時間が長く続きます。
口の中が水分不足になり、細菌が繁殖して口臭が生じるでしょう。
またアルコールを飲む習慣も、口臭の程度を左右するポイントです。寝る前に過度な飲酒をすると、脱水症状を起こして水分不足になります。筋肉が弛緩し、口が開きやすくなるのもデメリットです。
「禁酒をしろ」とは言いませんが、寝る前に大量のお酒を飲むのは避けた方がよいでしょう。

3.口呼吸

就寝中は、無意識のうちに口呼吸になる人も少なくありません。これも、口腔内が乾燥して唾液量が減少する原因です。
鼻詰まりやいびきの習慣がある方は、特に注意してください。意識的な改善は難しいので、マスクの装着などで対策をとるのがおすすめです。

4.口腔トラブル

むし歯や歯周病に罹患している方は、口臭がきつい傾向にあります。久しく歯科医院に行っていない方は、知らないうちに口腔トラブルが起こっているかもしれません。
特に歯周病は、ある程度進行するまで自覚症状が出にくいです。日本の約80%の人がかかるとされていることを考慮すると、他人事とはいえないでしょう。
初めは「少し気になるかな?」というレベルの口臭が、病気の進行につれて徐々に悪化します。最終的には腐敗臭を放つようになり、長期間の治療が必要になります。
大切な歯を失うことにもなりかねないので、日頃から口腔ケアを徹底しましょう。

 

今回は、口臭の原因を中心に紹介しました。
次回も引き続き同じテーマで、予防策についてお話しします。ぜひご覧ください。

ケン歯科クリニック