歯石取りで血だらけでも大丈夫。歯石取りで出血してしまう理由とは?
歯科医院で歯科用クリーニングを受けた直後に、毎回出血する方はいらっしゃいませんか?
心当たりがある方は、とても不安に感じているかもしれません。しかしこれは、決して珍しい現象ではないのです。
出血する理由について詳しく解説するので、定期的に歯石取りを受けている方や今後予定している方はぜひご一読ください。
歯石発生のメカニズム
口腔内のプラークが、唾液などと混ざって石化したものを「歯石」といいます。発生のメカニズムは次の通りです。
1.ブラッシング不足などによって、口の中に磨き残しが生じる。
2.時間の経過とともに、口腔内の食物残渣がプラークになる。
3.食物残渣が口の中に長期間残ると、やがてプラークが歯石化する。
歯石の表面はザラついており、放っておくと汚れがどんどん付着して溜まります。
ですが一度歯石化すると、ブラッシングで落とせないという難点があります。放置すると口腔トラブルにつながるリスクもあるため、かかりつけ医で定期的に清掃してもらいましょう。
落としやすい歯石とは?
歯茎に沿って付着しやすい「歯肉縁上歯石」は、比較的容易に除去できます。白や黄白色の見た目をしているのが特徴で、上奥歯の外側・下前歯の裏側に付着するケースが多いです。
磨き残さないために、鏡を見ながらブラッシングすることをおすすめします。
落としにくい歯石も存在する?
黒や褐色の見た目をした「歯肉縁下歯石」は、落としにくい傾向にあります。色が黒っぽく「黒い歯石」との異名を持っているのは、唾液や汚れに血液が混じって固形化しているためです。歯周ポケットや歯茎の縁(ふち)に生じやすいのが特徴で、独特の見た目からむし歯だと間違われることも少なくありません。
硬い上にこびりつきやすいので、落とすまでに時間がかかるのが特徴です。
クリーニングがキッカケで出血するのはなぜ?
歯石取りのたびに出血を起こしていると、大きな病気を患っているのではないかと不安になるはずです。歯科医院へ行くのが、億劫になる方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし冒頭でも伝えた通り、歯石を取ると出血するというのは決して珍しい話ではありません。
では、どのようなメカニズムで出血が起こるのでしょうか?
口腔内の一部が傷付いて出血しているわけではない!
プラークや歯石は細菌の集合体なので、溜まると歯茎がすぐに腫れてしまいます。ちょっとした刺激で、簡単に出血を起こしてしまうでしょう。
なお歯周病や歯肉炎の病変は、日本の成人8割程度に見られるといわれています。「10人に8人」と思うと、それほど珍しい症状ではないことがわかるのではないでしょうか?
医療器具の刺激や歯科衛生士の技術が原因で起こるわけではないので、安心して施術を受けてくださいね。
「出血=あるメッセージ」かもしれません!
血が出ることは珍しくないとお伝えしましたが、健康であればクリーニングで出血する心配はないのも事実です。
出血を起こした場合、何らかの疾患にかかっている可能性を疑いましょう。その一つに歯周病がありますが、ある程度進行するまで気付きにくいのが特徴です。自覚したときには歯槽骨(歯を支える骨)が溶かされており、ダメになった歯がふいに脱落する恐れもあるでしょう。
施術を受けた際に出る血液は「細菌を含んだ悪い血」です。きちんと体外へ排出されるよう、正しいケアを行うことが重要です。
出血後の適切な対処法
出血は時間の経過とともに治まるケースがほとんどですが、タイミングを見て原因を丸ごと取り除ければベストです。適切なアフターケアが行なわれれば、数日程度で歯茎の炎症が落ち着きます。
歯石取りを行なったあとは、とにかく強い刺激を与えないよう気を付けてください。毛先が柔らかい歯ブラシを用いて、適度な力でやさしく磨くことが大切です。
数日経過しても血が出ている場合、重大な疾患が隠れているかもしれません。かかりつけ医へ相談し、原因の早期発見・治療に努めましょう。
歯石取りでの出血は珍しくありませんので、過度に恐れなくてOKです!
歯石取りで血が出る理由や、適切な対処法について説明しました。
施術を受けた際に血が出ることは、決して珍しい現象ではありません。過度に恐れず、3~6ヶ月に1回程度は歯科検診で歯石取りを受けるようにしてください。
出血が怖いからといって受診を避けていると、口腔トラブルが知らず知らずのうちにどんどん進行する恐れがあります。
歯の健康に無頓着であった人は、これを機に自身のことを見つめ直してはいかがでしょうか?
日々のセルフケア(ブラッシングなど)と数ヶ月おきのプロケア(歯科検診)で、清潔な口腔状態をキープしましょう。