コンピュータによるデータ処理と画像の再構成によって、断層写真を撮影できる装置のことをCT(コンピュータ断層撮影:Computed Tomography)と呼びます。歯科分野に特化したCTは歯科用CTと呼びます。コンビームという手法を採用しているため「コンビームCT」とも呼ばれています。今回の記事では、5つの歯科用CTのメリットを解説いたします。

1.撮影方法が多岐に亘り明確に分析ができる

やはり分析結果を詳細に出せることは歯科用CTの大きなメリットと呼べるでしょう。レントゲンに比べて沢山の情報を得ることが可能になったことにより、ワイヤー矯正やインプラント施術などの数多くの情報を施術に必要とする治療においては、歯科用CTの登場により大幅に確実性や安全性を向上させることが可能になりました。 例えば、歯科用CTでは広範囲撮影から超高解像度撮影まで幅広く撮影方法を選択することができる為、医科用CTの約5倍程の情報量を入手することができます。

2.被曝量を1/50まで下げることが可能

歯科用のCTの機種の中には撮影できる範囲が違うものの医科用のCTと比べて、被曝する量が1/50まで下げることができる機種があります。この被曝量は撮影の時間がかかる程多くなります。撮影時間はおよそ10秒で終わるため、非常に被曝量を少なく抑えられるようになりました。一般的な歯科用のCTでも被曝量を医科用CTと比べて1/10まで下げることが出来ます。医科用CTのデメリットを減らし、患者様が安全して検査を進められる環境が徐々に確立しつつあります。

3.着席しながら撮影が可能

実は医科用CTでは横たわった撮影が主流になります。その為、医科用CTのように座ったまま撮影が出来ない場合は身体への負担も考えられます。歯科用CTでは横たわらなくても着席しながら撮影をすることが可能です。どのようなメーカーの歯科用CTであっても着席撮影が出来ることが大きなメリットと言えるでしょう。

4.一つの医院で全てが完結出来るようになった

以前はCTのみ他の病院で行うケースが多い傾向がありましたが、ここ最近では歯科用CTの普及が進んでおり、CTによる正確な診断結果がかかりつけ医でも可能になってきています。病院を複数通うことは患者様にとって大きな負担になっていた為、一度に全ての工程が済むことは大きなメリットと呼べます。

5.詳細な分析でインプラント治療の立役者に

まず、インプラントを患者様が安心して施術する為には、神経の流れ方や血管の流れ方、そして、歯に密接に関係しているアゴ周辺の骨の密度や厚さなどを事前に理解して臨む必要があります。従来のレントゲンの結果ではアゴの骨を増やした方が安全に施術が出来ると診断結果が出た場合においても、歯科用CTにより詳細まで骨の状態を把握することが出来れば、レントゲンでは考えが及ばなかった施術が可能になり、骨を増やさずにインプラントを埋め込むことが出来る可能性もあります。その為、CT撮影はインプラント治療をする上で立役者としての役割を担っています。例えば、歯科用CTを利用することで、患者様の歯を失ってしまった部分の骨の厚みや深さを調べることができ、口周りの骨の内部の詳細な距離までを0.1ミリ単位で的確に計算します。その他にも歯牙や上顎洞の形態の3Dイメージにして分析結果を出すことが可能になりました。歯科用CTで撮影することにより、従来のパノラマX線写真や口腔内X線撮影法では知り得なかった診断結果を手に入れることができ、より明瞭で患者様にとっても信頼性のある施術をすることが出来るようになったと言えるでしょう。

ケン歯科クリニック