骨が少ないときの治療法

骨が不足している症例における治療法

Dentistry X-ray image of female jaw and teeth (Photo by Universal Images Group via Getty Images)

「あなたは骨が不足しているので、インプラント治療はできません」
このように、かかりつけの歯科医院で治療を断られた経験はありませんか?
上記のやり取りだけを見ると、患者側のみの問題のように思えますが…。
実は、それだけではありません。 「インプラント治療に必要な骨を造成する知識や技術が不足している」という医療者側の問題でもあるのです。
骨が不足している場合でも、インプラント治療は行えます。
しかし必要な顎骨の量に満たない場合は事前に手術を行い、骨を造成しなければなりません。骨造成術には高度な知識と技術が必要となるので、治療してもらえる歯科医院を根気強く探しましょう。
必要となる顎骨の具体的な大きさは、骨幅約6mm以上、高さ10mm以上です。
それに満たない場合は特別な処置を行う必要があり、骨の誘導や骨移植、上顎洞と呼ばれる空洞へ骨を作らなければなりません。すでに存在する骨の上部や周りに新しい骨を作ったり増やしたりすることで、インプラント手術ができるようになります。

骨再生誘導法

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骨再生誘導法はGBR(Guided bone regeneration)とも呼ばれ、骨の再生を目的とした治療です。
骨を失った部位へ自家骨や人工骨を移植したり、専用の膜を用いてスペースを作り、骨の再生を図ったりします。 必要な骨は、インプラント手術の前だけでなく手術時に製作される場合があります。さらに骨再生誘導法は、抜歯即時埋入法(抜歯後すぐに行うインプラント手術)においても広く用いられます。

骨再生誘導法の特徴

骨再生誘導法により、インプラントの埋入に必要な骨量を確保できます。そのため埋入手術が、スムーズかつ安定性の高いものとなる点が大きなメリットです。
一方で自家骨を使用する場合、治療のプロセスが多くなります。
骨採取の手術が必要であったり、治療期間が長引いたりする傾向にあります。また糖尿病の既往歴がある方や喫煙歴がある方には、不向きな治療法です。

サイナスリフト

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一般的に私たちの奥歯の上部には、「上顎洞」という空洞が存在します。上顎洞の大きさには個人差があり、小さいと奥歯周辺の骨と近接する状態となってしまいます。そのような場合に行うのが、サイナスリフトです。
上顎洞の底部を持ちあげることでスペースをつくり、そこに自家骨や人工骨(骨補填材)を移植します。移植により骨に厚みが生じると、インプラント手術が可能となります。
サイナスリフトは骨の厚みが不足している場合だけでなく、複数の歯を失っているときにも用いられる治療です。なお、インプラント手術との同時進行はできません。骨移植後は3か月~半年程度経過観察を行い、移植した骨が安定するのを待ちます。

サイナスリフトの特徴

サイナスリフトは骨を広い範囲に造成できるのが特徴で、海外でも用いられる治療法です。骨移植後に埋入したインプラントが長持ちする傾向にあり、国内外を問わず多くの論文が発表されています。
また治療箇所を歯科医師が目視できるため、比較的低いリスクで行える治療です。
一方でサイナスリフトは、外科手術を伴うため心身の負担が大きくなります。インプラント手術と二度に分けて行うことで治療期間が長くなり、費用も高額になる可能性があります。

ソケットリフト

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ソケットリフトは、上顎の骨を再生するための手術のひとつです。口の中から上顎洞の底部を持ちあげてスペースを確保し、再生療法や骨移植を用いて骨造成を誘導します。
骨に一定の厚みはあるものの、インプラント手術をするには不十分な厚みである場合に用いられる治療です。

ソケットリフトの特徴

上顎の奥歯の骨に十分な厚みがない場合、歯科医院によってはインプラントを断ることがあります。しかしソケットリフトに対応している歯科医院を選べば、インプラント治療が受けられるようになります。
一方でソケットリフトは、本来は骨のない部分へ骨を造成する治療です。そのため費用が高額になる傾向にあり、経済的な負担が重くのしかかります。また対応している歯科医院が限られるということは、高度な技術が必要であることを意味します。そのため症例数の少ない歯科医師を選ぶと、失敗したり感染症を引き起こしたりするリスクがあるため注意が必要です。

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